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『勝負師伝説 哲也 -雀聖と呼ばれた男-』の中で描かれている"バイニン"たちは、阿佐田哲也氏の小説の中に登場するキャラクターを参考にしたものが、数多く登場します。
ここでは、『勝負師伝説
哲也』をもっと面白く読むために、作中に登場した”バイニン”達との勝負を、小説版と照らし合わせながら、その人物像を掘り下げてみたいと思います。 |
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参考作品 『牌の魔術師』 収録 『左打ちの雀鬼』 より
印南善一と坊や哲は、運送会社の社員として出会い、共につるんで悪さをしていた事があり、それから数年後、偶然再会した時には、印南は強烈な麻雀を打つバイニンになっていた。その秘密は、ヤクによる”ガン牌”である。ガン牌とは、牌に印をつけたり、竹の模様から牌のありかを知る事で、大抵は3、7牌といったキー牌を覚えるものである。しかし彼の場合、ほとんど全ての牌を知っているのだから普通のやり方ではなく、その方法が全くわからなかった。印南の印象を、誰に聞いても返ってくる言葉は、『神憑りみたいに牌を覚えるヤツ』であった。
坊や哲は、その秘密が解けぬまま、輝というおヒキと共に、印南と対戦する事となる。勝負はお互いの有り金の1/3づつを賭けた半荘3回戦。坊や哲は、ガン牌封じとして、竹牌ではなく黒い練り牌を使用した。1戦目、印南はハコテン近くまで沈んでラス。2戦目では、「哲也」でのストーリーであったように、印南は黒い練り牌に指紋でガンを付ける事で圧勝するが、迎えた3戦目。印南の左利きの死角を突いた、坊や哲の抜き業による大三元で哲が辛勝する。"左打ちの雀鬼"の"左利き"があだとなったのだ。
数多く登場するバイニンの中でも、この印南善一は非常に印象の強い打ち手で、坊や哲が生涯、イカサマ技の秘密が暴けなかった1人である。
『麻雀放浪記(一)青春編』には、彼をモデルにした清水という人物が登場する。印南と清水。この2人が共通して使ったセリフがある。
牌の横、面を見ると感じでわかるんだよ。三筒と七筒、四筒と六筒、みな違うぜ。筒子の彫りのインクが流れて、四筒なら2ヵ所、六筒なら3ヶ所、うっすらと黒ずんでいるんだ。誰だってわかるさ…。 |
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参考作品 『牌の魔術師』 収録 『黒人兵キャブ』 より
この近藤という男は、『黒人兵キャブ』という話で坊や哲が、G.I.達をカモにする相棒として登場する、レッドパージで大学を追われたインテリゴロだった。『哲也』ではその後、大阪で再会し、近藤は国士無双を執拗に狙うというフォームで坊や哲と対戦する。
このフォームは、『黄金の腕』収録の『国士無双のあがりかた』に登場する人物がモデルとなっているのではないだろうか?この人物は、国士無双を異常に和る巷の名人で、一見したところ、博打の世界とは程遠い物腰の柔らかい中年男性で、市の役員であるという。小説では、阿佐田哲也は麻雀新撰組の小島武夫、古川凱章を従え名人と対戦するが、名人の国士無双に惨敗するのである。 |
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参考作品 『雀鬼五十番勝負』 収録 『行方不明の緑發』 より
坊や哲がまだ半人前の頃に出会ったのがこの房州というバイニンで、本名も職業も不明だが、千葉方面の訛りがあった為”房州”という名前がついたらしい。『麻雀秘伝帳』という小説の中に、この房州のエピソードが載せられている。坊や哲に一生懸命イカサマ技術や、その道のセオリーを叩きこんで、一人前のおヒキにしようとした房州は、坊や哲に一文無しでクラブを打ち歩く事を命じた。この方法を半年も続けると強くなり、打ち方に遊びが混じらなくなって、初めて素人の域を脱するのであるという。
また房州は、ありとあらゆる手段を使って負け金を支払わなかったという。
負けて金を払うのは素人だ。たとえ殺されても金だけは払っちゃならねぇ。
これが房州の教訓だったそうだ。
『哲也』では、後に田舎で落ちぶれた房州と再会することとなるが、この話は、『牌の魔術師』収録の『ベタ六の死』に登場する剣崎六郎という抜き師の頭目の話がモデルになっているのではないだろうか?『ベタ六の死』で、六郎は誰もいない部屋で、真っ黒く色が変わり、干物の様に固まって死んだという、博打打ちの哀れな末路が描かれている。 |
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参考作品 『牌の魔術師』 収録 『捕鯨船の男』 より
『哲也』で、哲也のおヒキとして活躍しているダンチは、『捕鯨船の男』という話で登場する。『哲也』では、少しおっちょこちょいなキャラクターのダンチだが、実際は強く、朗らかで、哲也のおヒキというよりライバルである。
街のクラブで勝ち過ぎるダンチは、客がいなくなり、相手の逃げ場のない船上で麻雀をやることを思いつく。志願して捕鯨船に乗り込んだ彼は、南極までの道中で、船員を総ナメにしてカモってしまうのである。
何十年か後、阿佐田哲也は『ギャンブル人生論』という小説の中で、ダンチの本名を掲載し、行方の知れないダンチを探し再会することとなる。体力、気力の衰えた2人が再び博打に燃えるのだが…。この話は、『東一局五十二本場』収録の『なつかしのギャンブラー』で描かれており、両作品ともダンチの愛すべきキャラクターが味わえる。 |
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No.5 金貸しの信
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参考作品 『麻雀放浪記(三)激闘編』 『ドサ健ばくち地獄』 より
『哲也』には信という金貸しが登場するが、博打場には、こういった法外な金利の金貸しが存在する。阿佐田哲也氏の作品の中にも、ユウさん(『麻雀放浪記(三)激闘編』)や、敬吾さん(『ドサ健ばくち地獄』)といったような個性的な金貸しが登場する。彼らは普通、背後に組織の力を持っている為、金を借りた側は借金の返済期日を守り返済しなくてはならい。中には、カラス銭という、1日借りただけで1割の利息がつくようなものがある。(カラスがカァーと鳴いただけで1割という意)
無論これらの金は、博打場での違法な貸借であるので何ら法的効力を生じないが、そこには裏社会の厳しいルールがあるのである。 |
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参考作品 『雀鬼五十番勝負』 収録 『未成年の秀』 より
現在の詳しい事はちょっとわからないが、当時は深夜の12時過ぎに、雀荘で麻雀をやっている場合は現金が出ていなくても、賭け麻雀とみなされ検挙されていた。しかし、実際はほとんどの店が深夜まで営業しており、検挙されるのは定期的な手入れや密告によるものが多かったようである。
この秀は、刑事とつるんで、深夜自分が麻雀を終えると刑事を乗り込ませ、他の麻雀打ちやバイニンを検挙させる。自分は未成年ということで検挙を免れ、他のバイニン達のいない間にその雀荘で稼ぎ、さらに店のマスターに他のバイニン達の悪い噂を流すということをしていた。
昭和25、6年以降は、どこの店でもバイニン達の被害を受けており、店側、客側ともに警戒が強まった為、バイニン達は競って稼ぎ場を探し求めた。縄張り争いが熾烈だった為、彼もここまでの事をしたのだ。 |
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参考作品 『外伝・麻雀放浪記』 収録 『不死身のリサ』 より
不思議な強さを持った麻雀打ちがいるという噂を聞いたドサ健は、早速対戦を申し込んだ。相手は上野駅で寝泊りしている、テーブル掛けを1枚羽織っただけの女リサであった。1回戦は、リサの展開トップで、ドサ健は浮きの2着。初心者なのに、暴牌を切っても不思議と放銃せず勝ち続けているという噂に、ドサ健は半信半疑だった。2回戦は、ドサ健が突っ走り、オーラスでトップ目。ドサ健の手牌は、
            
リサが長考した後八萬を切り、ドサ健はセオリーに反し八萬を大明槓するも、上家が萬子のメンチンでロン。しかしその和りは、メンチンの待ちを見誤った誤ロンであった。チョンボ料でドサ健はそのままトップで終了。リサは繰り上がりの2着になった。ドサ健がリンシャン牌をめくってみると、その牌は”發”であった。
ドサ健は彼女の勝負強さを認め、コンビを組む。最強コンビ結成かと思いきや、リサは彼氏のコロという男を発見し去ってしまうのであった。
彼女の勝負強さの秘密は何だったのだろうか?彼女は口がきけず、その分他の感覚が鋭かったのかもしれない。
そしてまた彼女も、印南同様重度のヤク中であった。 |
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No.8 ドラ爆の鷹
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参考作品 『ギャンブル党狼派』 収録 『スイギン松ちゃん』
より
"ドラ爆弾"略してドラ爆は、ドラを山に固めて自分に入るようにする積み方で、実に便利な面がたくさんある。サイの目が合って自分に入ればドラとなり、サイの目が合わず他の人に入ればドラでなくなる。また、積み方がいたって簡単なので、素人にもすぐでき、裏ドラ、カンドラを作る事もできるので、大流行したサマのひとつである。
『哲也』に登場するドラ爆使いの鷹という男は、誰をモデルにしたのかはわからないが、近い感じの人物ならばいる。ドラ爆の鷹は、戦場で死線を潜り抜けて来たという”運”を売り物にするのだが、『ギャンブル党狼派』という小説に、戦場で8年もの間弾丸の下を潜って来て、1発も当たらなかったというスイギン松っちゃんという男が登場する。
この松っちゃんという男、麻雀をやって負け金が足らなくなると、その辺りに停めてあるバイクの鍵穴に、注射器で水銀を流し込んでバイクを盗み、売り払ってしまうという。それでついたあだ名が”スイギン松っちゃん”なのである。 |
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No.9 ブー大九郎
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参考作品 『牌の魔術師』 収録 『ブー大九郎』 より
大阪に流れた坊や哲が、盲目のブー麻雀の鬼、ブー大九郎と出会い完敗する。坊や哲は賭け金を支払えず、ブー大九郎の雀荘で雀ボーイとして働き、何とかブー大九郎の強さの秘密に近づこうとする。ブー麻雀は、半荘単位で勝負を決するのではなく、トップとラスの差が満貫分開いたら終了で、その時点で沈んでいる者は全て定額(沈んでいる人数により収入は異なる)をトップに支払うというルールになっている。
盲目のブー大九郎が、他人の捨て牌を記憶しながら打っている事に気付いた坊や哲は、再度ブー大九郎に挑戦。序盤に鳴かせない様、手牌の暗刻の字牌などを落とし、勝負を長引かせる事で記憶を混乱させるという作戦で、遂にブー大九郎を打ち破る。
ブー大九郎も、モデルに近い人物はいたようだが、創作の人物であり、著者が座頭市の麻雀版を作ってやろうといういたずら心から誕生したらしい。同作品には、『ブー大九郎の復讐』という話も収録されており、上京してきたブー大九郎が、坊や哲と復讐戦をするストーリーとなっている。再び、坊や哲が一計を案じるのだが…。この一戦も『哲也』で是非描いてもらいたいものである。 |
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No.10 クソ丸とドテ子
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参考作品 『麻雀放浪記(二)風雲編』 より
阿佐田哲也の小説に登場する人物の中では、クソ丸とドテ子は独特の雰囲気を持った2人組である。『哲也』では、クソ丸は相撲取りという設定であるが、小説では博打打ちの破戒僧であり、ドテ子と旅をしている。
小説に登場するバイニン達は皆、哲也にとって敵あるいはライバルであるのだが、この2人組はどこか違う感じがするのである。勘を大事にする打ち手ドテ子と博打が達者なクソ丸。2人共、博打の世界にいるにもかかわらず、どこか透明感を持った人物達である。
『哲也』にも登場するが、相撲取りというのは意外に麻雀が好きらしい。相撲取りの麻雀のルールは、少し変わっていて、平和も清一色も国士無双も手役が一切ない。その代わりにドラ牌が非常に多いのである。例えば、サイコロを振って5が出た場合、五萬、五筒、五索が全てドラ。表示牌が八萬ならば、九萬がホンドラとなり1枚2翻。九筒、九索は準ドラで1枚1翻となる。 |
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参考作品 『雀鬼くずれ』 収録 『大物狙い』 より
ダンチの恋仲役として登場するカン子だが、小説の中ではコロ助という靴屋の見習いと恋仲になり、カン子自身は麻雀はやらない。
普段から安い手には目もくれず、大物手を狙うコロ助なのだが、カン子の為に金が必要となり、更なる大物手を狙うようになる。やがてカン子は、コロ助の妾になりたいと言い出す。コロ助は、この世間知らずでお嬢様育ちの彼女を愛していたわけではないが、靴屋の小僧が妾を持つという事に憧れ、彼女を受け入れるのである。
『雀鬼くずれ』収録の『大物狙い』では、彼のそんな奮闘が描かれている。 |
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No.12 満州小僧
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参考作品 『雀鬼くずれ』 収録 『雀ごろ戦争』 より
ポンするたびに翻牌がつくという、奇妙な麻雀を打つバイニンがいる。名前はチビ。背が足りないので立ったまま打つものだから、畳敷きの麻雀屋にしか現れない。『雀鬼くずれ』収録の『雀ごろ戦争』という話の中で、坊や哲はこのチビと雀ボーイの座を賭けて勝負するのであるが、チビの不思議な翻牌麻雀に翻弄される。
このチビの翻牌麻雀の秘密は、ポケットの中に牌を忍ばせているだけというものなのだが、この手のイカサマをやる人間は多かったらしい。しかし、このチビの場合は、骨牌、練り牌、樹脂牌と様々な牌を隠し持っているのである。したがってどんな卓でも、似た牌を取り出しイカサマに使う事が出来るのである。
『麻雀放浪記(四)番外編』に登場するガスという男などは、各地を打ち歩く時に、様々な種類の牌の入ったバッグを駅のロッカーに保管しておき、いざ勝負となると、それに似た牌を取りに行くというバイニンであった。 |
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No.13 竹さん 忠さん
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参考作品 『雀鬼五十番勝負』 収録 『爺さんコンビ』 より
『哲也』では、雀荘に巣食い、客を遠のかせてしまうバイニンとして登場する
竹さん、忠さんの爺さんコンビだが、実際は大工の棟梁のご隠居という身分で、二人とも麻雀好きが嵩じてプロのようになり、毎日東京中のクラブを打ち歩く、気の良い好々爺であった。
この竹・忠コンビ、派手なイカサマはないのだが、実にコンビの息はピッタリで、なかなか打ち崩しづらい打ち手なのである。そこで、坊や哲とオヒキのターボという若者が考案したコンビ技が二人空リーチであった。コンビ技のセオリーとしては、片方の手が良い時は、相方が早い順目にリーチをかけ、時間を稼いでいる間に本命の方がその現物で、リーチに注意が向いている人間から和るというのが通常なのだが、竹・忠コンビの様に正確に牌山を築く相手に、サイの目をうまく出され、相手に良い手が入ってしまった場合は、二人で空リーチをかけ、警戒心を強めさせて、流局に持ち込むのである。(ノーテンリーチ流局の場合でも、チョンボではないルールだった)
『哲也』で竹・忠コンビが使う、時計の振り子を使った通し技は、『哲也』のオリジナルな創作案ではないかと思うのだが、非常に面白く、興味深いものである。 |
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No.14 鎌田と小夜子
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参考作品 『牌の魔術師』 収録 『赤毛のスーちゃん』より
哲也の幼なじみである小夜子が、文鳥と鏡を使い鎌田に通しを送るというこの話。鎌田、小夜子という名前は、それぞれ別の場面で記憶にありますが、これに近い設定の話として『牌の魔術師』収録の『赤毛のスーちゃん』があります。哲也が偶然つれあいになったすみれという女性が、実は敵のバイニンである光本という男の女で、すみれは哲也に近づき、哲也の手牌を光本に通すという話です。
当時は様々な方法で通しが行われており、『雀鬼五十番勝負』収録の『スパイのゴム爺』に登場するゴム爺は、雀荘で掃除番をする一方で、常連客の何人かと契約を結び、相手の手牌や待ちを客にサインで通していたそうです。この話の中でゴム爺は、ある卓の4人全員と契約をし、通しのサインを送って客達を相打ちにさせておいて、契約料を4人分儲けるといったことをしています。 |
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No.15 金剛上人 銀鬼 銅鬼
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参考作品 『麻雀放浪記(二)風雲編』 より
人里離れた山寺で麻雀の勝負をする哲也。どうも昔から坊主は博打好きが多いようです。『麻雀放浪記(二)風雲編』に登場する大恩寺は寺独自のガン牌があるほどの博打寺です。
KC中では、哲也は金剛上人ら3人を相手に闘っていますが、実は麻雀では3人がグルというのはそれほど苦しい状況ではありません。なぜなら、自分はどこからでも和れていつでもツモ和る事ができるのに対して、相手側は1ヶ所からしか和れないし、味方が親の時にツモ和ってもあまり意味がないからです。そこで相手側としては、1人は毎局国士狙い、1人は早い巡目でノーテンリーチ、1人はノーテンリーチの現物で大物手を作るという戦法できます。これをやられると、国士がいつテンパっているかわからないし、ノーテンリーチも時に本物の手が入っている事があるので、切る牌がなくなり追い詰められてしまうのです。(もっとも、1人の方が相手3人がグルだと承認していなければ、ここまで露骨な戦法はしてこないでしょうが…。) |
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参考作品 『新麻雀放浪記』 より
言わずと知れたギャングスター、野上の健ことドサ健。髪にべっとりとポマードをつけ、アロハシャツにインド髭といった当時としてはハイカラな風貌で、バクチの炎の中に生きる男。このバクチの厳しさと魔力を知り尽くしたドサ健は、坊や哲の兄貴分であり、よきライバルである。
個性溢れる人物が登場する阿佐田哲也氏の小説の中でも、ダントツの人気を誇るドサ健は、その登場作品も数多い。『麻雀放浪記(一)青春編』、『麻雀放浪記(三)激闘編』、『麻雀放浪記(四)番外編』、『ドサ健ばくち地獄』、『天国と地獄』(『雀鬼くずれ』収録作品)、『不死身のリサ』(『新麻雀放浪記』収録作品)、『ドサ健の麻雀わが斗争』(『外伝・麻雀放浪記』収録作品)。氏は、ある小説の中で、ドサ健も他のキャラクター同様創作の人物であると記している。しかし、『新麻雀放浪記』の中で、年老いた氏が自分を慕うヒヨッコという弟子に、バクチの何たるかを伝えようとこう語っている。
昔、ドサ健という男が居てなぁ。性格破綻者だったが、えらい奴だった。ドサ健は、どんな時でも身体を燃やしていた。そうして、もうこれでいいなんて金輪際思わず、燃え続けどこまでも勝つ。勝っても負けても強い奴だった。 |
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Written by K.Yoshida (Professional Mahjong Player)
/ Directed by N.Suzuki |
日本プロ麻雀協会所属
吉田光太のブログ 【プロ雀士吉田光太の横向き激闘記】 |
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