戦術論 道標 [michi-shirube] Written by Kota Yoshida
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第26章 牽制
今回は実戦譜からです。
半荘10回戦 4回戦目 東四局 15800点持ちの3着目の親番です。
トップ目はトータルトップを走る下家の38700点。













この配牌に5順目までに伍萬(赤)、三萬、五筒、七筒と引き、下図のようなイーシャンテンに。













次順、引いてきたのが赤五筒。この時点での各家の捨て牌は、
南家




西家





北家




さて、ここで曲げるか?否か?
ここまでは下家(南家)の一人舞台。厚く構えたでかい手を成就され、こちらの大物手は軽くいなされる。おまけに無意識のナチュラル犠打でチャンス手も潰されるなど上手く立ち回られて、こちらは麻雀がさせてもらえない展開。リーチで手牌に蓋をして、6000オール狙いや下家にプレッシャーをかけることは簡単です。ただ、ここでのアガり損ねは致命傷になりかねない…。今の展開で、7700点以上あがっての南入するのと、15800点のまま南入するのでは、持ち点以上の差が展開に影響しそうな気がします。
リーチとダマテン。単純にアガリ牌が出やすい確率を見れば無論圧倒的にダマテンが優っています。一般にイメージで思われているよりも、ダマテンの出アガリ率と、リーチをかけて相手が放銃してくれる確率には大きく差があります。また、通常の手組みでは、出アガリ率と自摸アガリ率の割合は比較にならないほどの開きがあります。(資質として天性の自模アガリ力を持っている打ち手は別ですが…。ただし、必ずしもその力が高アガリ率の維持につながるとは限りません。この話はまた後ほど…。)すなわち、当然のことながらリーチよりダマテン、自摸アガりより出アガりの方がアガれる確率が高いのです。
しかし、これは実戦です。
私はリーチをかけました。理由は、先に挙げた6000オール狙い、プレッシャーをかけるという事の他に、他家の手が遅そうであるということが大きかったです。3人の捨牌相からみて、ドラ筋の三・六索が出てきそうな展開になるのは100年も先の事のように思えます。また、自分の手に5を暗刻で2つ使っていることからも、他家の手は途中で詰まりそうです。自分が先にリーチをかぶせれば、3人とも早い順目でオリると判断しました。この選択によって、わずかながら残された出アガリという貴重な方法を蹴ったことになります。 ただ、私はこの手、リーチをかけたことによってアガりを逃す事よりも、リーチをかけなかったが為に各人に微塵でも動く事を許すのが嫌でした。
あとは自分のツモ山との勝負。
結果は…自摸れませんでした。1人テンパイで3000点の収入。またここから次局の進行が難しくなりそうです。
戦術論 道標 [michi-shirube] INDEX
序章 / 第1章 赤牌 / 第2章 見切り / 第3章 スピード / 第4章 展開 / 第5章 引力
第6章 道標 / 第7章 流れ / コラム:雀荘事情・I / 第8章 反射・I / 第9章 反射・II
第10章 役満 / コラム:ルールとマナー / 第11章 奪取 / 第12章 正着打 / 第13章 槓
第14章 処理
第15章 フォーム / 第16章 オフェンス・I / 第17章 オフェンス・II
第18章 オフェンス・III / 第19章 オフェンス・IV / 第20章 切り込み / コラム:雀荘事情・II
第21章 データ戦・I / 第22章 データ戦・II / 第23章 凌ぎ / 第24章 耐力
第25章 七対子 / 第26章 牽制





