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戦術論 道標 [michi-shirube] Written by Kota Yoshida

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第19章 オフェンス・IV

実戦におけるオフェンスのポイントをいくつか挙げてきましたが、麻雀においてオフェンスの極めとなる要素は一体何なのでしょう?

それは…口頭で説明するべきものでは無いのでしょうが、あえて挙げるとすれば「カン(勘)」です。オフェンス能力が突出した打ち手というのは、「カン」を駆使し「体」で麻雀を打ちます。はっきり言って、牌効率や、デジタル・オカルト論などに頼っているうちはその領域に進めないでしょう。

同じルール、同じツモ数、そう大差のない牌効率で打っているにもかかわらず、オフェンスにおいて脅威を感じさせる打ち手と、そうでない打ち手に分かれるのはその点が大きいと思います。

無論、ここでいう「カン」とは、いわゆる「ヤマカン」とは異なります。

「カン」とは、その局面、相手、手牌へのデータ・情報を基に最善手を導く思考であり、特に牌に対する洞察力が要求されます。この「カン」の難しい点は、「誤った手牌推理ならばやらない方がマシ」と同様に誤った「カン」なら働かせない方がマシという点です。中途半端な経験則や思い込みによる「カン」は麻雀の上達をストップさせます。精確な「カン」の発動には閃きと研鑽が必要です。

閃きに最も大事なのは、記憶という経験です。なぜなら、記憶はカンの材料になっているからです。実は、カンが働く時には、常に過去の経験による記憶が判断基準になり、その答えを左右しているのです。そして、その鍵を握るのが脳の中で経験を保管、記憶に残す海馬。海馬は同じ経験をたくさん積むと記憶の回路を鮮明に作るのです。つまり、カンの判断基準が明確になるため、選択がしやすくなるそうです。この点においても、記憶のパターンを増やす方法として以前にも触れた「後ろ見」が有効であることが解ります。

麻雀における研鑽とは、常に感性を研ぎ澄まし続けることだと思います。まさに研鑽に次ぐ研鑽です。一度しなびた感性は取り戻すのに倍の時間がかかります。感性という「ともし火」を消さないためには、常に集中し出来るだけ多くの機会に牌に触れることが必要となるでしょう。


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戦術論 道標 [michi-shirube] INDEX

序章 / 第1章 赤牌 / 第2章 見切り / 第3章 スピード / 第4章 展開 / 第5章 引力
第6章 道標 / 第7章 流れ / コラム:雀荘事情・I / 第8章 反射・I / 第9章 反射・II
第10章 役満 / コラム:ルールとマナー / 第11章 奪取 / 第12章 正着打 / 第13章 槓
第14章 処理 第15章 フォーム / 第16章 オフェンス・I / 第17章 オフェンス・II
第18章 オフェンス・III / 第19章 オフェンス・IV / 第20章 切り込み / コラム:雀荘事情・II
第21章 データ戦・I / 第22章 データ戦・II / 第23章 凌ぎ / 第24章 耐力
第25章 七対子 / 第26章 牽制

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