戦術論 道標 [michi-shirube] Written by Kota Yoshida
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第18章 オフェンス・III
かつて、「好牌先打」という考え方がありました。これは、配牌時に手牌の最終形を想定し、牌のふくらみを削ぐようにして、不要な牌を序盤に捨てていく戦法で、メリットとして以下のようなことがあります。
(1)切り遅れによる放銃の回避
(2)待ちとなる周辺を序盤に捨てる為、後々に迷彩となる
しかし、配牌時に最終形を想定することは非常に困難であり、ロスが大きすぎます。メリット(1)についてですが、ふくらみを早く削ぎ過ぎると、後にその周辺を引いた時に対応ができなくなります。贅肉のない手牌というのは、危険牌をつかんだ時に、勝負するかしないかの選択になってしまいます。仮に、勝負してその牌が通ったとしても、もうその周辺を引かないという確証はありません。つまり、贅肉のない手牌では、危険牌をつかんだ時に、それを手の内で使いきるよう手組みし直すことができないのです。また、(2)については、現代の麻雀において、中張牌が1順目・2順目に捨てられていたら、かえってその周辺はへき頭のヒッカケを感じさせ、警戒されかねません。
以上の理由から、実戦では最終形にとらわれることなく手を広げた方が、手牌に厚みが出るので、『好牌先打』はオーラスや狙い撃ちといった決め打ちが必要な時に意識するようにすれば十分でしょう。
また、牌を残すことにより、見えない役を追及することができます。













ドラは五筒。つい手拍子で打二筒としてしまいがちな手格好ですが、二筒を残すことにより、ドラの五筒を引いた時に2・3・4・5・5への雀頭の振り替えが可能です。この場合、ドラの下筋を残すのは、ワンチャンス分両面待ちのチャンスが少ないことからも、リスクが少なくなります。(例えば、場に四筒が1枚見えていれば、+手中の四筒、+ドラ表示牌の四筒 = 二筒・五筒待ちはワンチャンスということ)













ドラは五筒。こちらの手牌も、三索を残すことにより、四索を引いた時に七・九索と外し、3・4・5の三色に移行することができます。また、麻雀の局面はたえず変化するものなので、四萬が薄くなり五萬を重ねてターツを索子に求めるというのも実戦上ありがちですね。
このように、つい手拍子で切ってしまいがちの牌を残すことにより、手の破壊力を上げるパターンは無数にあります。ただ、切り遅れによる放銃を完全に避けることは、相当の集中力で、間合いを完全に計れるレベル(または状態)の打ち手でなければ難しいことです。それでも、現在のハイリスク・ハイリターンの麻雀では、上記のような「残し」を積極的に実践するほうが勝利に近いと考えられます。特に、初心者の方は、切り遅れに臆することなく手組みを行うことをお薦めします。実力が劣る者が、唯一他を圧倒することができるのは、オフェンスにおいてのみなのですから。
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第10章 役満 / コラム:ルールとマナー / 第11章 奪取 / 第12章 正着打 / 第13章 槓
第14章 処理
第15章 フォーム / 第16章 オフェンス・I / 第17章 オフェンス・II
第18章 オフェンス・III / 第19章 オフェンス・IV / 第20章 切り込み / コラム:雀荘事情・II
第21章 データ戦・I / 第22章 データ戦・II / 第23章 凌ぎ / 第24章 耐力
第25章 七対子 / 第26章 牽制





