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戦術論 道標 [michi-shirube] Written by Kota Yoshida

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第15章 フォーム

ここで紹介している阿佐田哲也の小説の中に、「(大)金を賭ける事によって、相手の真剣を味わう事ができる」という記述があります。個人的には全員が真摯に打ってくれるのであれば、レートの高低はさほど気になりませんが、やはり相手に「どうせ50円、100円麻雀だから」という気持ちでいいかげんな打牌をされると頭にくるものです。あえて、金銭的価値を見出して考えたとしても、低レートだから、たるんだ成績でも良いというのはおかしいですね。なぜなら、「当人にとって低レートである」「バクチの対象物としては低レートである」としても、生きていく中で他の価値のものに使えば良いわけですし、高レートや他のバクチのタネ銭にもなるわけですから。私もそうですが、やはり相手の本気を味わい、それに勝つ事が麻雀打ちの喜びではないでしょうか?金が最大の目的であるなら、麻雀は効率が悪すぎます。

以前、実際にあった局面です。

南三局 三本場 ドラ 北
東家(私) 37900点 南家 48000点 西家 10900点 北家 3200点

一萬一萬一萬二萬三萬伍萬六萬七萬八萬九萬九萬九萬白spacer

ラス前の親で3本積み、ダントツだった南家を猛追中。南家がラス親だけに、この親番で決めたいところです。手牌は萬子が異常な寄りをみせ、何を引いても九連宝燈テンパイという悶絶イーシャンテン。確かまだ、8巡目くらいだったと思いますが、上家から切られた牌は一萬でした。場には四萬と六萬が2枚切れ、九萬が1枚出ていました。その日、かなり浮き分があった私は、九連宝燈を和ったことがないということもあり、上家から出た一萬にノークッションでツモ山に手を伸ばしました。

結果は掲載しませんが、一萬を鳴かなかったのは私のミスだったと考えています。

その理由は明白なものとして、
(1)四・七萬、五・八萬の4面待ちになる
(2)仮にメンゼンで九連宝燈を張ったとしても、九蓮宝燈になる牌で和れる可能性が低い
(3)鳴いて親満出和りないし、ツモでトップ確定
といった事を考慮し、さらにハコ下精算無しのルールだったのです。

よく「裏目った」と言いますが、裏目とミスは違います。ペンチャンを嫌い、3メンチャンを選んだところに嫌ったペンチャンが来る。これが裏目です。合理的な確率を追求して打っている以上、裏目は仕方がない部分があります。しかし、上の手牌で一萬を鳴かなかったのは、「好成績を残す」というテーマの下では、重大な作戦ミスです。仮に100倍のレートで同じ状況だったとしたら、九連宝燈を狙ったでしょうか?

麻雀で大事な事は、自分のフォームで打ち貫くことです。レートの高低や、その日の浮き分で、打牌におごりや遊びが出ないように、常に気をつけましょう。


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戦術論 道標 [michi-shirube] INDEX

序章 / 第1章 赤牌 / 第2章 見切り / 第3章 スピード / 第4章 展開 / 第5章 引力
第6章 道標 / 第7章 流れ / コラム:雀荘事情・I / 第8章 反射・I / 第9章 反射・II
第10章 役満 / コラム:ルールとマナー / 第11章 奪取 / 第12章 正着打 / 第13章 槓
第14章 処理 第15章 フォーム / 第16章 オフェンス・I / 第17章 オフェンス・II
第18章 オフェンス・III / 第19章 オフェンス・IV / 第20章 切り込み / コラム:雀荘事情・II
第21章 データ戦・I / 第22章 データ戦・II / 第23章 凌ぎ / 第24章 耐力
第25章 七対子 / 第26章 牽制

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