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戦術論 道標 [michi-shirube] Written by Kota Yoshida

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第9章 反射・II

前回に引き続き、今回はオリている人間、特にベタオリしている人間がいる時です。

・オリている人間がいる場合

どんなにうまく切り出しても、全ツッパの時とベタオリの時、全く同じ呼吸、リズムで切り出せる人間はなかなかいません。ベタオリしている人間の数が多いほど、情報は鮮明になります。そのキーワードは、「仮にベタオリであれば、この牌が手中に存在すれば、その牌が切り出されるはずだ」ということです。

北三索西白九筒伍萬
東八萬六萬九索一筒白
九筒

親が上図の捨て牌でリーチ。両脇はベタオリしているという状況です。
(1)ここで、五・八萬待ちで3900点をテンパイしました。五・八萬は上家が親の捨て牌に合わせて2枚切っています。都合、場に4枚切れです。追っかけリーチをかぶせるかどうか考え所です。その内、ベタオリしている両脇が、字牌の対子落としやリーチ者の現物のスジを追うようになりました。さて、あなたはどう考えますか?

そう、両脇はもう五・八萬を手中に持っていないのです。残りは、親の手牌か、山か、王牌のみ。ここからは、方針の問題です。両脇は五・八萬を持ってくれば切り出す可能性が高いので、得点状況、親のリーチの価値などを考慮し、両脇から3900点を直取りしたい、確実に和りを拾いたいという状況であれば息を殺してダマ、親を叩きたい、両脇を追い詰めたい、親の待ちをつかまない(殺している)自信がある時は追っかけリーチで良いでしょう。ただ、毎回機械的に、先行リーチの現物待ちならダマ、現物でなければ追っかけリーチという戦法はあまり得策ではありません。

(2)先ほどの捨て牌で親リーチを受け、今度はベタオリしていたところ安牌が無くなりました。打牌候補として、一索と八筒があります。両脇もベタオリしており、三索を1枚づつ切っているので一索はワンチャンス。八筒も自分の手牌に七筒が暗刻であるためワンチャンスです。さて、あなたはどちらを切りますか?

こういうケースでは当然の八筒切りです。もう1枚のありかが、選択を決断させる理由です。七筒が両脇の手牌にあるとしても、ベタオリしている以上、無スジの七筒は出てこないでしょうが、三索が1枚づつ切られているということは、もう1枚あれば続けて切ってくるでしょうから、4枚目の三索は山か、王牌か、親の手中ですね。これに対し、4枚目の七筒は山か、王牌か、親の手中か、両脇の手中ということになるので、潜んでいる選択肢がひとつ増える分、親の手中に潜んでいる可能性が若干低くなりますね。

「反射」はただ相手の待ちを推理する捨て牌読みではありません。1局で手に入る情報を全て網羅して、4人の手牌、捨て牌、山、王牌を包み込むように捉えるのです。オフェンス、ディフェンスの両面において、目で見えている情報だけで戦っている者と、「反射」を実践している者とでは大きな差が生じます。ただ、正確な「反射」を身につけるのは非常に難しいです。多くの人が「反射」とは異なった、誤った経験則を「反射」のようなものと勘違いして打っています。

また、「反射」を正確に実践するには、尋常ではない異常なほどの集中力を必要とします。ただ、ある程度の域に達すると、自然と体が場全体を把握して打てるようになります。ここで言うある程度というのが、勝ち組と負け組の境界線なのかもしれません。そして残酷なことに、麻雀人格の形成が出来あがってから、負け組を抜け出すには相当の努力と意識改革が必要です。これを行わないと、麻雀の成績は逆の意味で安定してしまうのです。そう、何年経ってもある程度、安定して負け続けてしまうということです。


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戦術論 道標 [michi-shirube] INDEX

序章 / 第1章 赤牌 / 第2章 見切り / 第3章 スピード / 第4章 展開 / 第5章 引力
第6章 道標 / 第7章 流れ / コラム:雀荘事情・I / 第8章 反射・I / 第9章 反射・II
第10章 役満 / コラム:ルールとマナー / 第11章 奪取 / 第12章 正着打 / 第13章 槓
第14章 処理 第15章 フォーム / 第16章 オフェンス・I / 第17章 オフェンス・II
第18章 オフェンス・III / 第19章 オフェンス・IV / 第20章 切り込み / コラム:雀荘事情・II
第21章 データ戦・I / 第22章 データ戦・II / 第23章 凌ぎ / 第24章 耐力
第25章 七対子 / 第26章 牽制

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