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 序章

 第1章 『赤牌』   

 第2章 『見切り』

 第3章 『スピード』

 第4章 『展開』

 第5章 『引力』

 第6章 『道標』

 第7章 『流れ』

 コラム 『雀荘事情』

 第8章 『反射・1』

 第9章 『反射・2』

 第10章 『役満』

 コラム 『ルールとマナー』

 第11章 『奪取』

 第12章 『正着打』

 第13章 『槓』

 第14章 『処理』

 第15章 『フォーム』

 第16章 『オフェンス・1』

 第17章 『オフェンス・2』

 第18章 『オフェンス・3』

 第19章 『オフェンス・極め』

 第20章 『切り込み』

 コラム 『雀荘事情・2』

 第21章 『データ戦・1』

 第22章 『データ戦・2』

 第23章 『凌ぎ』

 第24章 『耐力』

 第25章 『七対子』

 第26章 『牽制』


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第1章 『赤牌』
まず、アリアリルールでよく見かける"赤牌"についてです。

赤牌は大別して、単なるドラ扱いとされる場合と、それ自身が役を持ち赤牌だけで和れるという場合がありますが、今回は前者の単なるドラ扱いとされる場合について考えてみましょう。




この様な、平凡な平和系の捨て牌で、赤五筒が切られていれば、三・六筒、四・七筒待ちという両面待ちは、有り得難いという事になります。特別な場合を除き(手牌の値段、迷彩等)、手の内に

  とあれば、黒五筒を切るからですね。同様の考え方から、 この場合リーチ前に九筒、リーチ後に一筒が通っているので、六・九筒、一・四筒という両面待ちはないと言えるでしょう。

つまり、リーチ宣言牌より前に赤5が切られていれば、同色の3-6・4-7待ちは無いという、新しい定石が成立します。

この様に、1枚の赤五筒から、リーチに対する読みが大分広がります。しかし、これはあくまで"両面待ち"に限った話であり、この赤五筒の特質を逆手に取ったリーチも出てくるのです。

次に、赤牌を絡めた"鳴き"に関して、例を挙げてみましょう。

・東家 ドラ 伍萬

 

この様な、現在5800点の仕掛けをしていたところ、上家から六萬が出ました。さてここでチーする場合、どう鳴くのが正解でしょうか?(1)四萬・赤伍萬とさらして鳴くか、(2)七萬・八萬とさらして鳴くかですが、それぞれのメリットとデメリットを考えてみましょう。

まず、四萬・赤伍萬とさらす場合のリスクとして、"赤伍萬"をさらさなくてはならないということです。この場合、親であり、クイタン仕掛けの2つ目を"赤伍萬"を使ってさらす事により、他家の注目を集めてしまい、手の方向性、値段、待ちを読むための大きなヒントを与えてしまうことになります。仮に、今さらしている部分が、

ではなく であったならばどうでしょうか?タンヤオ・赤・赤・ドラで親満が最低確定しており、他家の警戒は強まり、他家からの放銃は期待薄となるでしょう。

しかし、四萬・赤伍萬とさらすメリット、更に七萬・八萬とさらす場合のリスクとして、四萬・赤五萬とさらした場合は、後に伍萬を引いた時に、八萬と振り替える事が出来ると言う事です。この場合、ドラである伍萬を切らずに済むし、値段もあがります。この考え方だと、七萬・八萬とさらした場合は、振り替えられない形になってしまいますね。したがって、1つチーをするだけでも、状況によってさらし方の選択肢が生ずる事になります。

・確実に和りが要求される時
・他家の警戒が強い時
・赤伍萬だけでなく四萬もさらすのが嫌な時(数牌の2〜9がドラの時は、ドラ表示牌もドラ同様にキーとなる牌なのです。なぜなら、皆の需要が高く、既に1枚ドラ表示牌として、皆がそのありかを確認できる牌ですからね)等は、七萬・八萬とさらして鳴くのが得策なのではないでしょうか?

更に、四萬・赤伍萬とさらして鳴いた方が良い場合としては、

・確実に高い値段の手を和りたい時
・リーチ者が多数いる時
・さらしている部分から想像されるものと、実際の手牌の残りが違う時(クイタン仕掛けに見せかけた、翻牌待ちなど)があります。これらの要素を全て考慮した上で、ツモ和り、他家への威嚇を含め、この様な場合は四萬・赤伍萬とさらした方が、若干得なのではないでしょうか。

また、赤牌が入っている事により、2・2・3・3からの2・3切り、4・4・5・5からの4・5切りといったダブルメンツからのセット外しにおいても大きな意味を持つ切り順が生じます。

ドラ 八索
2順目[北]、4順目[一筒]、8順目[東]、9順目[一筒]、10順目[南]はツモ切り




この様な、一見平凡な捨て牌からの七索・八索のドラターツ落としであれば、7・7・8・8からのダブルメンツ外しにより切り出されたもので、まだ手の内に七索・八索というターツがあり、六・九索待ち(六・九索が入り目)が予想されます。特に、七索を切ってから八索を切るまでの間が長ければ長いほど、手の内にまだドラターツがある事が予想できます。(ドラと雀頭とのシャボ受け、ドラ暗刻を期待した結果)

これが通常のセオリーですが、赤牌が入ると、次のようなセオリーが成立します。

・手出しで4・5の順で切られた場合、その牌をまたぐ3・6が危険牌となる
・手出しで5・4の順で切られた場合は、3・6は比較的通り易い

なぜなら、手の内に4・4・5・5というダブルメンツがあった場合、手の内の"5"が黒であろうと、赤が1枚であろうと、牌効率に明るい人ならば、4・5という順序で切り出してくるからです。同様に、5・5・6・6とあった場合も、ダブルメンツ外しの場合は6・5という切り順になるので、手出しで5・6という順で切られた場合には、4・7待ちは薄いという事になりますね。これは、4・4・5・5・6・7・8といった複合形からの4・5外しにも同じ事が言えます。

ただしこのセオリーは、相手の切り出した牌が、手出しかツモ切りかを見ていなければ、全く意味がなくなります。ツモ切りか手出しかを見ていないのなら、リーチが入った時には、相手の捨て牌から待ちを推理することなどしない方が良いかもしれません。初めから全員のものを見るのは無理だとしても、せめて鳴きを入れている人の手出し牌は、必ずチェックするようにしましょう。そうすることで、大分相手の手牌構成がみえてくるでしょう。これが、オフェンス時にも必ず役に立つ事になるのです。

Written by K.Yoshida (Professional Mahjong Player)
/ Directed by N.Suzuki

日本プロ麻雀協会所属 吉田光太のブログ 【プロ雀士吉田光太の横向き激闘記】

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