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Distance -我が人生に悔いあり- Written by Takeshi.T

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Episode 01

我が家は4人家族。
両親の勝手な理想で、4歳上の兄はエリート公務員、弟はプロ野球選手と決められ、兄は毎日勉強していたが、やんちゃだった私は毎日遅くまで外で元気に遊んでいた。

団地に住んでたので友達なんか腐るほどいたし、遊びも次から次へと開発されていった。
野球、サッカー、ドッジボール、ガッチャン(昔風呂を沸かすのに湯沸し機についていた、ちょっとしたスタンガンみたいな物を使っての戦争)、スーパーカー消しゴム、メンコ、缶蹴り、松ぼっくり戦争、ノーブレーキ林道下り(カネ君はこれで骨折したなぁ)、ガチャガチャのカプセルに砂を詰めて駄菓子屋に一斉に投げ込むなどなど…。数え上げたら切りがないのでこの辺でやめておこう。

その頃の私は、父にテレビのチャンネル権を独占され、半ば強制的に観させられていたプロ野球の影響で、野球チームに入ればヒーローになれるものだと信じていて、近所の少年野球チームに入ることを父親共々楽しみにしていた。

そして、入団試験当日―。
日ごろから外で遊びまわっており、運動神経には自信があったので、「余裕だぜ!」と思って試験に臨んだのだが、結果はなんと合格ラインギリギリ…。
試験の帰り道に自転車で走りながら、「ギリギリだったぞ~!!」と叫んだ父の嬉しそうな笑顔は、今でもハッキリと憶えている。

その日の夜は、クリスマスしか食べられないようなフライドチキンのデカイのが出てきたりして、ちょっとしたパーティーだった。

両親が理想とした道―。この日がその第一歩になるはずだった。

上機嫌だった父は、すでに花札や将棋を覚えていた俺に、新しい遊びを教えてやろうと、タンスの奥から箱のようなものを取り出してきた。

後に父は、そのちょっとした気まぐれが大きな間違いだった事に気付く…。

タンスの奥から親父が取り出した物は麻雀牌だった。
まず子供の目には、その大掛かりなセットが驚異的に映った。
コタツの天板の裏の鮮やかな緑。混ぜると不思議な耳障りの音。4本だけ入っているきらびやかな棒。見るものすべてが新鮮であった。

人生初の麻雀。それはまさに私を勝たせるための接待麻雀だった。
父が横から私の手牌を覗きこみ捨て牌を指示する。するとあっという間に手役が完成し、おもしろいように私の当たり牌が飛び出してくる。
父を真似て作った牌山も10個積めただけでうれしくてしかたなかった。

(麻雀って、めちゃくちゃ楽しい!!)

これが、今後の人生に深くかかわる事となる麻雀との出会いだった。

それからというもの、毎週日曜日は家族で麻雀というのが我が家の恒例行事となった。
野球が終わって家に帰り、手早く夕食を済ませると、私が麻雀の用意をして家族が揃うのを待った。
時には母の洗い物を手伝い、父と麻雀牌を使った違う遊びをして待ったりもした。

学校では中国語クラブに入り、六を「リュウ」と発音した先生に対し、「六はロウでしょ!?」とマニアックな質問をぶつけるくらいに麻雀用語も次々と覚えていった。

点数計算を覚えたのは小学校六年生の時。
毎週父が口にしていた「イチニー、ニーヨン、ヨンパー、クンロク、イックニー、ザンパースー、チーロンパ」や「イチロク、ザンニー、ロクヨン、イチニッパ、ニゴロ、ゴーニー」などの計算用語はすでに暗記していたので、比較的簡単に覚えることができた。

生まれて初めて和了った役満は、意外にも字一色でした。

小六にしてすでに麻雀に絶対の自信を持っていた私は、父が私に教えてくれたように、野球チームの友人であった佐藤の家で、友達を集めて麻雀を教えていた。

その日も、気持ちよく私が友人たちに麻雀をレクチャーしていると、佐藤の親父さんが覗きにやってきた。

「おう! お前ら何してるんだ?」

「タケシ君に麻雀教えてもらってるんだよ。」

「へぇ!タケシ君は麻雀できるのか!」

「はい…少しだけ…。」

「おじさんも入れてもらっちゃおうかな!」

「あ…はい…どうぞ…。」

実はこの時、佐藤の親父さんに心の中でムカついていた。
気持ちよく教えていたのを邪魔されたという思いがあったからだ。

(俺の強さを教えてやるぜ!)

闘志満々で挑んだ私は、その時佐藤の親父さんを相手にこんな手を和了ったのだ。

白白發發spacer東東東spacer西西西spacer中中中spacerロンspacer白

「ん~? チンイツ!小三元!チャンタ!東!ドラ3!!…かな?」

自信満々だったわりにはめちゃくちゃである…。
そして、それを見た佐藤の親父さんはというと、

「す…すごいな…。か…数え役満じゃないか…。」

と、本当に知らなかったのか、しらばっくれたのかは定かではないが、スゴスゴと奥へ引っ込んでしまった。

こうして私の家族以外との対外試合は、劇的な数え役満(?)で幕を閉じたのだが、後にそれが字一色だとわかり、

(あのオヤジ…しらばっくれやがったな…!)

と、また佐藤の親父さんにムカつきながら、麻雀の勉強に没頭したのでありました。

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