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Distance -我が人生に悔いあり- Prologue
『ロン!』

あちゃ〜、読み違えたか…。チートイに見えたのに…。

『リーチ、一発、チートイ、ウラウラ! 18000点の3枚です!』

えっ!! チートイ!? なんでっ!?

信じられない事であった。相手の捨て牌から手役を予想し、自分の手を進めるには最適な打牌。最も安全に見えた自信の一打なのにどうして…?

リーチ者の捨て牌は


   
この捨て牌を見てピンフ手ではなさそうだという事は、初心者の方でも分かるであろう。中張牌の早切り及びターツ落とし、役牌後のオタ風でリーチ、とくればまずチートイ系(シャンポンなども含む)のリーチだと読めるはずだ。


だから俺は字牌やスジに頼らず、ベタオリもしないで打九萬とした。この打九萬は、例えばリーチ者の配牌が

man2.gif (1627 バイト)

ここから 打二索 ツモ一萬→打五萬 ツモ六筒→打中 ツモ三索→打六筒

ツモ北→打五筒 ツモ四筒→打北



というようなリーチも考えられなくはない。しかし、これだけの好配牌に好ツモが続くとはマグレとしか言い様がない。そこまで考えると切れる牌は現物しかなくなってしまう。だから俺は確率を信じ打九萬とした。マグレのピンフ手には振り込んでも良いと思ったからだ。


このリーチ者はなぜ九萬で待ったのか?

これがテンパイ即リーチの初心者ならば十分にあり得る。しかしこのリーチ者は、かなりのキャリアを持った雀荘のメンバーなのである。

この待ちには果たして理論があるのか?前巡に七萬や八萬の捨て牌があり、カンチャンやペンチャン落としを狙ったわけでもない。七萬や八萬が河に大量に捨てられた状態(カベ)になっていたわけでもない。俺はその真意が知りたくて、対局終了後に彼に聞いてみた。オタ風の"北"より九萬で待ったその理由を。

その理論は驚くべきものであった。とても想像できない。"目からウロコが落ちる"とは、まさにこの事だと思った。

麻雀が強くなりたいと思ったら、まずはデジタル的な勉強を始める。確率による正着打を覚える事。相手の捨て牌から手役や手牌を想像して待ちを読む事。そして、よりロスの少ない打牌選べるようになる事。すべての確率を勉強してロスの少ない打牌を選べるようになると、ひとつの"壁"にぶつかる。俺は長い間麻雀を勉強してきて、"自分なり"に正着打が打てるようになり、"自分なり"に相手の待ちを読み、"自分なり"にロスの少ない打牌を選べるようになった時にデジタルの限界を感じた。麻雀は確率だけでは勝てないからである。

だから麻雀は面白い!対人間の麻雀は、デジタルだけじゃなくオカルト的な思想やメンタルな部分も多いに含まれていて、めちゃくちゃ面白いゲームだと俺は思う。

書き出しがとても真面目(?)になってしまいましたが、これからの話は俺が麻雀と出会ってからの20数年間に体験したエピソードや、愉快な人々、そして打ち方の変化などをお話ししてみたいと思います。欲を言えば少しでもみなさんの麻雀に変化をもたらしたなら、これ幸いです。

あっ!? 話が大分逸れましたが、先述のチートイを九萬で待った彼の理論については、おそらく最終章あたりでお話しする事になると思いますので。あしからず。

俺が麻雀をしていて一番楽しいと思う事は麻雀で会話をする事です。なんだそりゃ!?と思う人が大半でしょう。ですが、意識レベルが最高潮に達した時に、打牌やそれこそ指先の動き、呼吸などで目など合わせなくても会話が成立してしまう事があるんです。あのチートイを和了った彼とも、そんな体験をしたことがあり、それは俺の中では最高に楽しく、そして苦しい対局でした。

みなさんはどんな時に麻雀が楽しいと思いますか?

俺が初めて"麻雀って楽しい!"と思ったのは、忘れもしない23年前(昭和50年代)。小学校二年生の時。あの日は待ちに待った、少年野球チームの入団試験の日でした…。

To be continued…

これからの話は、すべて"事実"ですが、人権保護(俺の人権も含めて)のため、登場人物たちの人名は変えてあります。また、これを読んで麻雀が強くなるということはないと思うので、『道標』の息抜き程度にお読みください♪

Written by T-TOX / Directed by N.Suzuki


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